年齢とともに女性が妊娠しにくくなるのは常識です。
しかし女性の体がどのように加齢の影響を受けるかは、あまり意識されていないようです。
普段は全く意識できませんが、時間の経過と共に体の中は刻々と変化しています。
年齢と共に数・質が低下する卵子
卵子は精子と違って、体内で生み出されるものではありません。
女性は胎児のころから、体内に卵子のもとになる細胞を持っています。
その個数は、胎児の時が最も多くて600万~700万個。生まれる頃には約100万個、思春期には20万~30万個まで少なくなります。
つまり少なくなる一方で、増えることはありません。
なんとなく生理の出血のたびに減るイメージがありますが、そうではなく毎日数十個のペースで減っていくのです。
閉経の頃には、体内に残っているのは千個以下。数が減ると同時に、卵子の質も落ちていきます。
これは簡単に言うと老化であり、受精する能力が低下するということです。受精はできてもそこから分裂・発達する力も落ちており、流産率も高まります。
いまの若い人たちって、こういうことは知ってるのでしょうか?
年をとると妊娠しにくくなる、ということを知らないコも少なくない、なんて話も聞きますが。
このへんは学校でちゃんと教えるべきではないでしょうか?
高齢出産は産んだ後も大変
年をとることで起きる問題は妊娠しやすさだけではありません。産んだ後も何かとトラブルが増えます。
最も多いのは、出産後の
痛みや排尿トラブル
ではないでしょうか。
これは、産む年齢が高くなるにつれて、増えやすいトラブルです。
というのも、このサイトではおなじみの骨盤底筋群が加齢で弱っているから。
骨盤底筋群の筋力が落ちるということは、お産で開いた骨盤をもとに戻す力が弱いということ。
すると痛みが出たり、尿失禁などの排尿トラブルが増えるのです。骨盤底筋群がゆるんだまま戻らず、産後5~7年経ってもトラブルが続くケースもあります。
妊娠中および産後に多い腰痛も、年齢が高くなると発症しやすくなります。
上で書いた「骨盤をもとに戻す力が弱い」というのは、骨盤の安定が損なわれることで、これは腰痛をとても引き起こしやすい状態です。
年齢が高くなるほど筋力も落ちるので、腰痛も起きやすくなるわけです。
妊娠中の2人に1人、産後は5人に1人の女性が腰痛になる、というデータもあります。
妊娠のしやすさだけでなく、赤ちゃんを産んだ後のことを考えても、若いうちに妊娠・出産したほうが女性にとってラクなのは間違いなさそうです。