人体は使わなければ機能が衰えていきます。
脳でも筋肉でも「昔に比べると鈍ったなぁ」といった実感は誰でも経験しているのではないでしょうか。
実は性器も例外ではありません。
このコンテンツでは女性器の廃用性委縮について紹介します。
女性器も廃用性委縮(使わないと衰える)を起こす
男性でエッチ関連の記事に興味がある方なら、
男は定期的に射精しないと、男性器の機能が落ちる
という話を聞いたことはないでしょうか?
”廃用性委縮(はいようせいいしゅく)”というやつで、長いこと使わない器官や筋肉が、「これは不要なパーツなんだな」と体に判断されて劣化していく現象です。
男性器も、時には稼働(?)させないと勃起力などの機能が弱くなっていくのです。
なので廃用性委縮の記事では、セックスする機会のない男性は、劣化させないためにマスターベーションしましょう、としばしば主張されています。
この話はなぜか男性器ばかりで、「女性器が廃用性委縮を起こす」といった記事はこれまで目にしたことがありませんでした。
生理があるから膣は廃用性委縮を起こさないのかな?と考えていました。
しかし結論からいうと、膣にも廃用性委縮が起きます。
雑誌「週刊現代」2017年 4/22号(Amazon)に、「チツは放っておくとどんどん『劣化』する」という記事があり、膣の廃用性委縮について説明されていました。
産婦人科医の早乙女智子氏の解説です。
膣は使っていないと廃用性委縮が起こります。
分りやすく言うと、運動しないと身体のあらゆるところの関節が固まりますが、あれと同じことが膣にも起こる。
使わないと身体は鈍って劣化しますよね。膣も同じなんです。
だから、セックスまたはマスターベーションで、女性ホルモンを多く分泌してケアしてあげることが大切。
セックスは相手が必要なので、難しい点もありますが、マスターベーションならいつでもできるはず。
それもしていないとなれば、劣化して当然です。
セックスやマスターベーションで愛液を出すと、文字どおり「潤い」を与えることになり、膣の定期メンテナンスにもなるのです。
劣化した膣はどうなる?見た目や機能が
それでは、劣化した膣はどうなるのでしょうか?
記事には、「ちつのトリセツ(Amazon)」の作者、原田純さんの体験談が紹介されています。
・大陰唇の奥の、肉厚の花びらのようだった小陰唇も、厚みを失い、小さく縮こまってクシュっとなっている
・膣内に指を入れるのも痛くて難しいほど、硬く、カラカラに
まさに、”委縮”であり、”しおれて枯れた花”という表現がピッタリではないでしょうか。
更年期にさしかかって女性ホルモンの分泌量が減ると、この委縮傾向は顕著になってきます。
女性ホルモン減少のほか、身体の冷えも膣の劣化を加速します。ストレスや乱れた食生活、睡眠不足などは冷えを招くので気をつけましょう。
男性と同様に、廃用性委縮を防ぐには女性もセックスやオナニーが有効ですが、「それじゃあ早速」といかないケースも多いはず。
上にあるようにセックスは相手が必要ですし、オナニーもちょっと抵抗がある・・・という女性も少なくないでしょう。
女性器マッサージで潤いを取り戻す パーツごとのやり方
それではどうするか?
記事では「女性器マッサージ」が紹介されています。
これは助産師のたつのゆりこ氏考案したマッサージで、オイルをつけた手で外性器と膣内を揉みほぐします。
膣の廃用性委縮を防ぎ、更年期の女性であっても潤いを取り戻す効果があります。
たつのゆりこ氏が考案した女性器マッサージのやり方を紹介します。
外性器のマッサージ
大陰唇
親指、人差し指、中指にたっぷりとオイルをつける。その指を大陰唇の上にあて全体を覆うようにしてオイルを塗る。硬い部分があれば、優しく揉みほぐす。
小陰唇
花びらのようになっている小陰唇を、指でつまむようにしてオイルを塗りこんでいく。圧を加えたいときは軽めにつねるようにする。膣口周辺の粘膜にも塗る。
会陰(女性器と肛門の間の部分)
オイルをつけた指で会陰をそっとなでたり、押したりしながらオイルをつけていく。強めの力で押す。出産予定がある人や痔がある人は特に丁寧に行うこと。
膣内のマッサージ
膣壁
膣に人差し指が第2関節ぐらいまで入るようになったら、膣の中で時計盤の9時~12時~3時の範囲の膣壁をゆっくり、ぐっと押していく。
直腸と肛門
親指の腹を下に向けたまま、親指を膣のお尻側を押していく。押すのは3時~6時~9時の範囲。6時の位置が直腸と膣の境目で、ここを丁寧に揉むと排便が楽になる。
肛門付近
オイルをつけた指で、尾骨の先端の両脇にある会陰のツボをもみほぐす。痔や便秘に効果があるとされている。肛門のまわりも少し圧をかけて押すとよい。
膣内に指が入らない時の対処法
緊張や乾燥で指が膣内に入らなければ、最初は指を入れず、外性器や肛門まわりにオイルを優しく塗りこむだけでOKです。
焦らず慌てず、痛いと思ったら止めることを基本にゆっくり進めていけば効果が得られます。
原田さんも最初は人差し指の第一関節までしか入りませんでしたが、一ヶ月ほどで人差し指が全部はいるようになりました。
さらには卵くらいの大きさの膣トレグッズが痛みなく、スルッと入るようになったのです。尿漏れや便秘も治りました。
このマッサージが終わった後に骨盤底筋体操を行えば、膣はさらに柔軟性を持つようになり、下半身全般のトラブル解消につながります。
骨盤底筋体操はまず両足を肩幅に開いた状態で膣口にギュッと力を入れたまま5秒間ほど静止。
これを10回以上繰り返すことで骨盤底筋が鍛えられます。
女性器マッサージは膣の劣化対策として優れた方法ですが、膣ケアに最も良いのはセックスやマスターベーションです。
積極的にセックスをして女性ホルモンを分泌させれば、膣は劣化しません。
劣化している自覚のある女性は、まずはマッサージで膣にかつての潤いを取り戻しましょう。
そして今度はもっと性に前向きになって、マスターベーションやセックスで自然に膣のケアをしていくのが理想的です。
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