前立腺は膀胱の出口のすぐ下にある、クルミくらいの大きさの臓器です。
尿道を取り囲むように位置しているので、前立腺が肥大すると尿道を圧迫して排尿障害を起こしてしまいます。
ある程度の年齢に達した男性にはかなりの割合で発症し、芸能人も例外ではありません。
歌手の松崎しげるさんは60歳を過ぎてから前立腺肥大症になり、頻尿に悩まされたそうです。
このコンテンツでは松崎さんの症状や治療法などについてまとめています。
(雑誌週刊新潮 2018年5/10号(Amazon)56~59ページを参考にしました)
慢性的な頻尿と残尿感 本番中や長距離移動中も尿意が
松崎さんが発症したのは63歳の時です。
症状が出始めたのは、5年くらい前(管理人注:2013年)。オシッコの回数が妙に多くなりました。だけど、いざトイレに立っても、チョロチョロといった感じで、勢いよく出てこない。
そのうえ、何度用を足してもスッキリせず、慢性的な残尿感に悩まされていたのです。
病院で検査を受けると、前立腺肥大症との診断を受けます。
しかし治療に本腰を入れたわけではありませんでした。
でも、治療はせず、市販薬を飲んだり飲まなかったりしていましたが、次第に頻尿はひどくなり、仕事にまで差し障りが出るようになった。生番組中に”ちょっとごめん”と、トイレに行くことも度々でした。
また、歌の仕事で、バンドメンバーとバスで高速道路を移動するときには、サービスエリアごとにトイレ休憩をする始末だった。
僕もばつが悪かったのですが、”したい”と思った瞬間に尿意はマックス。でも、結局、出るのはほんのわずかで、情けなくなりました。
寝ていても尿意は強く、一晩に数回トイレに立つため睡眠不足になりました。
このままでは、オムツの世話になるしかないかと思っていたところ、昨年(管理人注:2017年)10月に、テレビ番組の企画で、人間ドックを受けることになった。
そこで、医師から”前立腺がゴルフボール大になっています。放っておいたら、大変なことになりますよ”と言われた。
元気印が僕のトレードマークでしたから、多少の抵抗はありましたが、治療を始めることにしたのです。
投薬治療とその効果
前立腺肥大症では、まず薬による治療が検討されます。
初期段階であれば尿道の交感神経の緊張を緩和し尿道を広げる効果を持つ薬が処方されます。
松崎さんも薬での治療を始めます。
最初は、朝昼晩と食後に薬を服用しなければならなかったけど、いまは朝食後だけです。効果は覿面で、トイレから解放されました。
前立腺はゴルフボール大から若干小さくなった。いまのところ、手術は考えていません。万一、男性機能がダメになったら、それはあまりに寂しいと思うから・・・。
ほとんどの場合、松崎さんのように投薬によって症状が改善されます。
手術を選択するのは、薬での改善が見込めない場合や、肥大が進んで尿の排出が極めて困難になり腎不全のリスクが考えられる場合です。
最近はレーザーを使った手術が普及していて、出血も少なく日帰りもできる安全な手法が確立しています。