このコンテンツでは、包茎の症状や治療法などを、医学事典も参考にしてまとめています。

包茎についての理解を深める参考にしてみて下さい。

「家庭の医学事典」包茎の原因や症状 治療法

包茎であっても、重篤になるケースはほとんどありません。
 
「どんな症状か」を理解しておけば、余計な不安を感じずに済みます。
 
包茎を「家庭の医学事典」で調べると、次のようにあります。

包茎

受診科:泌尿器科
成長とともに反転するはずの包皮が反転しないため、亀頭が包皮におおわれている状態をさします。

原因

亀頭(陰茎の先端)は、幼児までは包皮におおわれているのがふつうで、成長とともに包皮は陰茎の幹のほうに反転して亀頭が露出します。
 
包茎は、包皮が反転しないまま亀頭が包皮におおわれている状態で、包皮の口が狭くて亀頭がまったく露出できないものを真性包茎、包皮の口が広くて、反転すれば亀頭が露出するものを仮性包茎といいます。

症状

真性包茎の場合は、包皮の口が狭いために、排尿時に尿が細い線状になって出るほか、陰茎の先端がふくらみます。仮性包茎では、セックスのときに障害となったり、亀頭に垢がたまりやすかったりするので、亀頭包皮炎や尖形コンジローマなどにかかりやすくなります。
 
また、包皮が反転したままにおくと、陰茎の血行が悪くなって、陰茎がはれて痛くなり、包皮を元に戻せなくなることがあります。(嵌頓包茎)。

治療

真性包茎で排尿障害の原因になっているときは、早く手術しなければなりません。また、亀頭包皮炎や、尖形コンジロームなどを合併したときも手術が必要です。
 
手術法は、背面切開法と環状切除術の2つがあります。
 
背面切開法はおもに子供に行われるもので、包皮に切り込みを入れるだけの簡単な手術で、外来ですみます。
 
環状切除術は、包皮を環状に切開し余分な包皮を切って縫い合わせるもので、局所麻酔で行い、これも入院の必要はありません。

経過・予後

包茎の人は、陰茎がんになりやすいため要注意です。入浴時には包皮を反転させてきれいに洗い、よく観察することを心がけます。
 

 
現代では、わからないことがあればすぐにネットで調べられます。ネット上には医療情報のみならず、体験談も無数に公開されています。
 
中には真偽の怪しい情報もありますが、参考程度に頭に入れておく分には役に立ちます。
 
紙媒体での医療情報は時代遅れの感がありますが、検討・吟味されている分、確実性・信憑性という点ではネット情報に勝ります。

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「症状でわかる医学百科」包茎解説

「症状でわかる医学百科」では、次のように解説されています。

包茎

陰茎の先端の亀頭が常に包皮でおおわれた状態をいう。

症状

手で軽く包皮を引き下げると自然に亀頭が露出するものを仮性包茎というが、乳幼児は生理的に包茎なのがふつうで、病気ではない。
 
心配なのは、包皮を引き下げても皮が突っ張って亀頭が見えない真性包茎で、これは亀頭包皮炎を起こしやすい。

原因

先天的原因による。

治療

真性包茎の場合は、学童期までに手術がすすめられることが多い。
 

亀頭炎/亀頭包皮炎

「亀頭包皮炎」について、同じく「症状でわかる医学百科」から。
 
陰茎の先端の亀頭に起こる炎症を亀頭炎、包皮にも及ぶものを亀頭包皮炎という。

症状

亀頭と包皮の赤みやただれ、膿、排尿痛がある。

原因

乳幼児はオムツをしており、また、汚れた手で陰茎をさわることがあるため、亀頭や包皮の部分に細菌などの感染が起こりやすい。

治療

抗生物質や抗炎症剤などが用いられる。
 

 
包皮を引き下げて亀頭全体が露出するなら仮性包茎であり、子供のほとんどは仮性包茎です。
 
亀頭が露出しないなら真性包茎の疑いがあるので小児科を受診しましょう。
 
包皮を切除してしまうのは賛否両論あるようですが、医師の意見と親御さんの判断で対処を決めましょう。キトー君といった仮性包茎矯正器具もあります。

「完全包茎」とは 治療法はある?

「完全包茎」という言葉があります。
 
これは病名としては誤りなのですが、ペニスの状態を指す言葉としてはそのとおりです。
 
つまり、陰茎が包皮に「完全に」包まれていて、包皮口が「穴」のように小さいのが完全包茎です。
 
(用語としては間違っていますが、このコンテンツでは便宜上「完全包茎」を使わせて頂きます)
 
通常は真性包茎であっても、亀頭の先端がわずかに見える程度は包皮口が広がっています。
 

 
対して完全包茎では「穴」ほどの大きさなので、軟膏すりこみ法やずり下げ法は使えません。完全包茎では、包皮をずり下げても亀頭は全く見えないのです。
 
しかし完全包茎であっても、包皮口拡張法はどうにか可能である場合がほとんどです。穴のように小さな包皮口でも拡張器具が挿入でき、拡張もできます。
 
わずかでも拡張できれば、あとはそれを広げていけばよいので、包皮切除手術は必要なくなります。
 
完全包茎では包皮口があまりにもせまいので、排尿の際に尿が出ていかず、包皮内に尿が水入り風船のように溜まってしまうことがあります。(バルーニングといいます)
 
本人や親はとても気になりますが、上で紹介したように多くの場合は矯正可能なので、悲観的にならず治していきましょう。